突落(読み)つきおとす

精選版 日本国語大辞典 「突落」の意味・読み・例文・類語

つき‐おと・す【突落】

〘他サ五(四)〙
① 人や物を高い所から突いて下に落とす。突いて落下させる。
堤中納言(11C中‐13C頃)虫めづる姫君「つきおとせばはらはらと落つ」
仮名草子浮世物語(1665頃)三「谷底へつきおとしければ」
② ひどく悪い環境・地位気持などに落とす。一層劣った状態におく。
※日蓮遺文‐破良観等御書(1276)「今日蓮は善導法然等をば無間地獄につきをとして」
※こゝろ(1914)〈夏目漱石〉下「より孤独な境遇に突(ツ)き落(オト)すのは猶厭でした」
相撲で、突き落としの手で相手を倒す。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉四十八手裏表「敵の差手を挟みつけ〈略〉敵が堪へて押返さうとする出端を挟みつけてゐた方から突落(ツキオト)すのである」

つき‐おとし【突落】

〘名〙
① 相撲のきまり手の一つ。押し合い寄り合いの際に、上手(うわて)を相手の脇の下や背にあて、自分のからだを開きながら、相手の体を斜め下に押しつけるようにして倒す技。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸山、梅ケ谷時代の壮観「土俵を廻りながら一寸突落(ツキオト)しを試みたが」
② 取引市場で、相場が急激に暴落すること。〔取引所用語字彙(1917)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報