ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第三の人間」の意味・わかりやすい解説 第三の人間だいさんのにんげんtritos anthrōpos; third man 形相論 (イデア論) 批判に際して用いられた論証。アリストテレスの注釈家アレクサンドロスは3つの型に分類している (『アリストテレス形而上学注釈』) 。その内容は,有名なアリストテレスの論証を例にとると,もし個々の人間 (A) のほかに「人間自体」 (X) というイデアがあって,AがXへの類似という関係を有することで存立しているとするならば,AとXの相似関係を保証する,すなわち両者に共通に類似している第三の人間 (Y) の存在が要請され,さらにA-Y,X-Yの類似関係についてもその関係を成立させる「人間」の存在が要求されて無限背進が生じる。これは不条理であるとするもの。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by