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第二音波 だいにおんぱsecond sound

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

第二音波
だいにおんぱ
second sound

超流動ヘリウムを特徴づける温度の波。 1938年 L.ティサが導入した二流体理論によって理論的に予言され,44年 V.ペシコフの実験により存在が確かめられた。二流体理論によれば超流動ヘリウム4は常流動体と超流動体とから成るが,この2つの成分が同位相で振動すれば密度波 (第一音波) が生じ,逆位相で振動すれば2つの成分の比が変化する温度の波 (第二音波) が生じる。第一音波の音速 (毎秒約 340m) が温度に依存せずほぼ一定であるのに対して,第二音波の音速は大きく変化し,転移点 (約 2.17K) でゼロであった音速が,温度の降下とともに増加して約 1.8Kで極大値の毎秒約 20mとなる。なお,固体中でも第二音波が伝搬することが知られている。超流動ヘリウムには特殊な条件下で超流動体のみが振動する第三音波,第四音波と呼ばれる音波も存在する。第三音波は,固体表面に吸着し,粘性で常流動成分が動けないような薄い膜の自由表面が振動する表面波である。また第四音波は常流動成分が動けないほど細い毛細管を伝わる波で,多孔性物質を用いて存在が実証されている。

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世界大百科事典内の第二音波の言及

【音波】より

…ふつうに音波というときには,空気を構成する微小粒子の振動によって起こる圧力変化の波動で,その周波数が人間の聴覚によって音として感ずる範囲にあるものをいうことが多い。空気中の音波に限っても,可聴周波数以上の超音波,可聴周波数以下の超低周波音など広い周波数範囲にわたる音波が存在する。一般に音波ができるためには,媒質の中で起こった運動に対して,これを続けようとする慣性力と元の位置に戻そうとする弾性力との存在が必要である。…

【カピッツァ】より

…ソ連の物理学者。サンクト・ペテルブルグの西のクロンシタットに生まれる。ペトログラード工業大学に学び,1921年イギリスに渡りケンブリッジ大学キャベンディシュ研究所においてE.ラザフォードの指導を受ける。そこで1920年代としては世界最大の瞬間強磁場発生装置(30万ガウス)を製作した。次いで同大学モンド研究所所長となり,断熱膨張機を用いた新たなヘリウム液化機を開発した。 34年,ソ連政府の要請に応じて帰国し,モスクワの物理問題研究所長となる。…

【超流動】より

…液体が粘性なしに流れる現象。ヘリウム4 4Heの液体である液体ヘリウム4は2.17K以下で,また4Heの同位元素である3Heの液体(液体ヘリウム3)は1mK以下でこの現象を示す。超流動状態では,液体はきわめて細い管の中を圧力差なしに流れ,また,第2音波や噴水効果など種々の奇妙な現象が観測される。 液体ヘリウム4に,液体ヘリウムIIと呼ばれる相が存在することはW.H.ケーソムらによって1927年に発見され,これが粘性0の超流動相であることは38年にP.L.カピッツァによって確かめられた。…

※「第二音波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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