超流動ヘリウム4(読み)ちょうりゅうどうヘリウムし(その他表記)superfluid helium 4

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超流動ヘリウム4」の意味・わかりやすい解説

超流動ヘリウム4
ちょうりゅうどうヘリウムし
superfluid helium 4

液体ヘリウム4が低温で示す特異な状態。たとえば,通常の液体が粘性のために通過できないような毛細管を流れる超流動性や,温度差を与えると低温側から高温側へ流体が流れ込む噴水効果などがある。超流動状態の性質は 1930年代の種々の実験から次第に明らかにされた。圧力がゼロに近い場合に常流動相 (ヘリウムI) から超流動相 (ヘリウム II) への転移温度は約 2.17Kである。この転移は二次相転移で比熱曲線にλの字を裏返した形の不連続性が現れるため,λ転移と呼ばれる。 F.ロンドンはヘリウム4原子がボソンであることからλ転移が本質的には理想ボース気体で起るボース=アインシュタイン凝縮の反映であると指摘した。その後,ボース=アインシュタイン凝縮の概念は相互作用をする粒子系にも拡張され,超流動は量子効果が巨視的規模で現れた現象であると考えるようになった。超流動の理論的解明は L.D.ランダウによって大きく発展した。また半現象論的な二流体理論は超流動ヘリウム4の諸現象を説明するのに有効である。 1972年に液体ヘリウム3にも超流動相が存在することが観測された。 (→液体ヘリウム , 超流動ヘリウム3 )

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