等分平均律(読み)とうぶんへいきんりつ

法則の辞典 「等分平均律」の解説

等分平均律【equal temperament】

1オクターヴを整数等分してその1を単位音程とし,その整数倍をもって必要な音程のすべてを表現するシステム.全音の値を単位音程の p 倍,半音の値を単位音程の q 倍とすると,等分数 n は5p+2q に等しい.いろいろな平均率が設定されているが,重要なものは十二音平均率(近代の鍵盤楽器用,p=2,q=1)と,ボサンケ(Bosanquet)の五十三音平均率(p=9(大全音),p=8(小全音),q=5)である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の等分平均律の言及

【平均律】より

…そこで,16世紀において長3度を純正にとり,5度を縮めるという中全音律が行われるようになる。これは不等分平均律unequal temperamentとも呼ばれ,一種の平均律ではあるが,〈12平均律〉のようにすべての単位音程を等しくとる等分平均律equal temperamentとは区別して用いられる。 オクターブを均等に分割するという考え方は,すでに実践の面においては15世紀のリュート奏者などの間で行われていたとみられる。…

※「等分平均律」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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