日本大百科全書(ニッポニカ) 「管絞り圧延」の意味・わかりやすい解説
管絞り圧延
かんしぼりあつえん
tube reducing
継目無し鋼管や電気抵抗溶接鋼管など外径の大きい素材管から小径管を生産するために、管を絞るように圧延する熱間加工をいう。管絞り圧延機はレデューサーreducerとよばれ、円弧形孔型付きのロール2、3個を備えた圧延スタンド二十数台を、孔径が縮小する順に直列に配置してある。素材管は約1000℃で圧延機に送り込まれ、管内面が自由な状態で連続的に圧延される。各スタンドのロール回転数比が固定されたシンキング・レデューサーと、各スタンドのロール回転数比の調節によって圧延中の管に張力をかけられるストレッチ・レデューサーの2種がある。後者は小径管や薄肉管を高能率に製造でき、その3ロール式が、管の変形が均一のため普及している。全外径減少率は前者で最大50%、後者で最大75%である。レデューサーと類似の管圧延機としてサイザーsyzer(2ロール式、5~7スタンド)があるが、その目的は管外径の寸法をそろえることにあり、軽度の管絞り圧延を行うだけである(外径減少率10%以下)。管外径を縮小するための冷間圧延加工は管圧延tube rollingに属する。
[志村宗昭・原善四郎]