絹富名(読み)きぬとみみよう

日本歴史地名大系 「絹富名」の解説

絹富名
きぬとみみよう

中世、豊前国築城ついき郡・仲津なかつ郡などに散在した国衙領の名。「宇佐大鏡」所載の国々散在常見名田によれば、仲津郡「中北郷絹富名」は元来豊前国散在国衙領であったが、宇佐宮領の大野おおの郷「高墓」(高塚)八八町六反余と交換され、同宮領とされたという。鎌倉時代初期とみられる弥勒寺喜多院所領注進状(石清水文書/大日本古文書四―二)に、宇佐宮の神宮寺弥勒寺塔頭喜多きた院領として「流末絹富」がみえる。承久二年(一二二〇)一二月日の検校祐清譲状(同文書/大日本古文書四―一)によれば、弥勒寺領を掌握していた山城石清水いわしみず八幡宮検校は「絹富保」を延命律師に譲っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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