…一次宇宙線の主成分は各種の裸の原子核で,核子当り等しいエネルギーで比較すると,陽子(水素の原子核)が94.5%,ヘリウムの原子核(α粒子)が5%で,残りの0.5%がリチウムより重い原子核(炭素,窒素,酸素,鉄などの原子核が比較的多く,さらに重いものも含まれている)である。これらは正の電気量をもち,地球に到達するには,地球磁場の水平分力に応じて曲げられはね返されるので,磁気緯度によって宇宙線の入射強度は異なり,水平分力の大きい赤道付近ほど強度は減少する(緯度効果)。宇宙線の積分強度はエネルギーとともに減少し,高エネルギーではほぼエネルギーの2乗に逆比例するが,1020eVまでの存在は確認されており,単一粒子としては自然界で最大のエネルギーを有している。…
※「緯度効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」