緯度(読み)いど(英語表記)latitude

翻訳|latitude

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

緯度
いど
latitude

地球にほぼ一致したなめらかな回転楕円体赤道面 (楕円体の中心を通って短軸に垂直な平面) と極との間の位置を表わすもの。天文緯度地理緯度,地心緯度の3種類がある。天文緯度は,ある地点の地平面 (鉛直線に垂直な平面) と回転楕円体の回転軸との交わる角。地理緯度は,ある地点で回転楕円体に立てた垂直線が赤道面と交わる角。地心緯度は,ある地点と回転楕円体の中心を結ぶ線と赤道面との交わる角。天文緯度と地理緯度の差は小さく,最大で 20″~30″程度。天文緯度と地心緯度との差は大きく,最大 11′程度。天文緯度は直接観測から求められるが,地球 (回転楕円体) の回転軸の移動や,鉛直線の変動に伴って,緯度も変化する。地図をつくる場合は,このような緯度は不便なので地理緯度を利用する。

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デジタル大辞泉の解説

い‐ど〔ヰ‐〕【緯度】

地球上のある地点の南北の位置を表す座標の一。赤道を零度として、それと平行に南北に地球を横に切る線の目盛り。南北おのおの90度まで測り、北へ測るのを北緯、南へ測るのを南緯という。⇔経度

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百科事典マイペディアの解説

緯度【いど】

経度とともに地球上の位置を表す座標の一つ。赤道から隔たる角度(0°〜90°)で示し,赤道以北では北緯α度(記号+α°またはα°N),以南では南緯β度(−β°またはβ°S)と呼ぶ。一地点と地球中心を結ぶ線が赤道面となす角を地心緯度,地球の基準楕円体(地球楕円体)の面に立てた垂線が赤道面となす角を地理緯度といい,後者を地図の基準とする。地心緯度は地理緯度より常に小さく,その差は両極で0,南北緯45°で最大で11′33″。ただし普通は天の北極の高度(鉛直線と赤道面のなす角)を測定して決められ,天文緯度という。
→関連項目緯度変化

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世界大百科事典 第2版の解説

いど【緯度 latitude】

三次元直交座標系の中心と,三次元空間内の1点とを結ぶ直線が,ある基準面との間にはさむ角度をいう。ふつう地球表面上の1点の位置を示すときに,経度および高さとともに使う。赤道を0度とし,北極または南極に向かって90度まで数える。それぞれ北緯および南緯何度,またはプラス(+)およびマイナス(-)何度と使う。地球の中心部に入ることは不可能なので,緯度は地球表面上の観測から決めなければならない。 まず地球表面上の1点で,水準器や水銀面などを使って鉛直線の方向(地球重力の方向)を決める。

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大辞林 第三版の解説

いど【緯度】

経度とともに地球上の位置を示す赤道に平行な座標。ある地点の天頂の方向と赤道面とのなす角度で表す。赤道をゼロ度とし、南北へそれぞれ南緯・北緯と測り、両極で90度に至る。 ⇔ 経度

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

緯度
いど

経度とともに地球上の地点の位置を示す座標。赤道緯度を0度とし、北極点を北緯90度、南極点を南緯90度として、それぞれ北緯、南緯を90度に分け、度・分・秒を用い、たとえば北緯39゜08′00″のように表す。両極に近づくほど高緯度とよび、赤道に近づくほど低緯度とよぶ。
 地図上に最初に緯度が引かれたのは、距離を示すためでなく、1年のなかで昼間の長さがもっとも長く、しかも同じ時間長を示す場所を結んで得た線であった。経線とともに格子状に引くようになったのは、紀元前2世紀のことである。緯度の測定は角測器の発達につれていっそう正確になっていった。
 緯度には、地理緯度、地心緯度、測地緯度、および天文緯度がある。
(1)地理緯度 地表のある地点で、地表面に対して垂直な線を立て、これを赤道面とのなす角度で表す。地球は完全な球体ではなく、近似的な回転楕円(だえん)体であるため、地表面に対する垂直な線はかならず地心(地球の中心点)を通るとは限らない。
(2)地心緯度 地表上の地点と地心とを結ぶ直線が、赤道面となす角度で表す。この地心緯度は、地球に関して全体として計算するときに用いられることが多い。地心緯度と地理緯度との差は、最大で11分30秒である。
(3)測地緯度 地球上のある限られた地域内で、至る所の鉛直線と直角に交わる曲面にできるだけよくあう楕円体を考え、そのうえで地理緯度と同様に定義したもの。各国の精密な地図作製に利用される。
(4)天文緯度 地球の自転軸と、地球上の一地点における重力の方向(鉛直線)とのつくる角度の余角。普通、赤道面と鉛直線方向のつくる角度と定義する。地球の自転軸は地球本体に対して移動する(極運動)ので、天文緯度も変化する(緯度変化)。ある期間の天文緯度の変化を平均して平均緯度(平均天文緯度)緯度という。自転軸の方向と鉛直線方向とのつくる角度を直接観測する器械が子午環である。子午環観測は複雑で時間もかかるので、普通は天頂儀、写真天頂筒などを使って、タルコット法による間接法で天文緯度を決定する。
 地心緯度、地理緯度、測地緯度などは、地球の形状を楕円体で近似して決める幾何学的量であるが、天文緯度は重力の方向という物理学的量によって決めている。初めに天文緯度の観測がなければ他の緯度は決まらない。天文緯度と測地緯度の差を、鉛直線偏差(または鉛直線偏倚(へんい)、垂直線偏差)といい、ジオイドの形や地球内部構造の研究に利用される。ある国(または地域)の地図をつくるときの出発点(測地原点)では、鉛直線偏差をゼロと仮定するが、二つの国(または地域)の測地原点における鉛直線偏差ゼロの仮定の誤りや、2国間で使った基準楕円体の違いなどによって、二つの地図の境界は一致しないのが普通である。
 超長基線電波干渉計、人工衛星レーザー測距、全地球測位システム(GPS)、原子時計などの開発が進み、地球の形状と大きさ、大陸間の距離が精確に決定されるようになった。1988年(昭和63)以降の地球上の経緯度は、100分の1秒まで決定できるようになり、一般の人でもGPSの受信機で簡単に経緯度を知ることが可能になった。[市川正巳・若生康二郎]
『斉田博著『おはなし天文学1』(2000・地人書館) ▽国土地理院編・刊『世界測地系緯度・経度対照表 日本の緯度・経度が変わる』(2001)』

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世界大百科事典内の緯度の言及

【ラチチュード】より

…寛容度ともいう。写真撮影において被写体の明暗のスケールを写真画像の濃淡として表すことができる光量比の範囲をいう。写真撮影でフィルムに与えた光量と,フィルムを現像して得る画像の写真濃度との関係は図のような特性曲線で示される。光量はこの図の横軸に対数で目盛って示してある。撮影に使える光量範囲は特性曲線の足から肩までで,これを全露光域といい,この範囲を全域ラチチュードという。特性曲線の直線部分に対応する光量の範囲をラチチュードという。…

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