地球の自転軸が地球を貫く点(南北極)から角度90度の点を結んだ線を地球の赤道といい、この赤道を天球に広げて天球と交わった線を天の赤道という。古代中国の星図で、天球の赤道を赤線で描いたことに由来する。地球は扁平(へんぺい)な三軸不等の楕円(だえん)体で、赤道半径は6378キロメートル、極方面の半径はこれより294.118分の1短い。地球自転軸に垂直でかつ地球中心を通る面を赤道面という。太陽、月、惑星など大きさをもつ天体にも、地球の赤道、赤道面の定義を準用して、それぞれの天体の赤道(面)を定義している。地球の赤道面楕円の扁平率は9万分の1で、赤道面楕円の長軸は西経15度の方向を向いている。
[若生康二郎]
地球の地軸の中心を通り、地軸に対して直角に切る平面と地表との交線をいう。緯度の基準となり、緯度0度にあたる。赤道面は地球の公転軌道面に対して23度26分の傾きをもっている。赤道は年2回(春分の日と秋分の日)、太陽の直射を受けるほか、夏至(げし)や冬至(とうじ)の日でも太陽高度が高いので、赤道付近は熱せられて、上昇気流が生じ、赤道無風帯あるいは赤道低圧帯を形成する。そのため一般に雨量が多く、年降水量2000ミリメートル以上の地域が多く、毎日のようにスコールがあり、いわゆる高温多湿の熱帯雨林気候となり、その地域の植生は熱帯雨林を形成する。
[市川正巳・若生康二郎]
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
地球の中心を通って地球の自転軸と垂直な平面が地球の表面と交わる大円。これを延長して天球と交わった大円が天の赤道である。地球上の赤道は地球表面に固定していて変化しないが,地球の自転軸が極運動によって空間に対して変化するし,歳差や章動によっても同じように変化するので,星に対しての天の赤道の位置は変動する。これらの周期的な変動分をならしたものを平均赤道と呼び,見かけのものを視赤道と呼んでいる。一般の天体,すなわち太陽,月,惑星などの場合にも地球における赤道の定義を準用して,それぞれの天体の赤道を定義している。
執筆者:古川 麒一郎
南北回帰線の間を一般に赤道地帯,または熱帯というが,熱帯気候のもっとも典型的なものを赤道気候という。気温の年較差は小さく,日較差のほうが大きい。1年を通じて雨が多く,年降水量1500mm以上である。高温,多湿で,明りょうな乾季,雨季の区別は認められない。一般に風は弱く,風向も一定しない。海陸風などの極地風が発達する。地球上の各子午線(経線)上で気温のもっとも高い地点(年平均気温の最高点)を連ねた線を熱赤道thermal equatorという。北半球のほうが陸地面積が多いので,年平均気温も高く,熱赤道は北緯6.5°付近を通る。また,太陽放射量の夏季と冬季の差が最小になる地点を連ねた線を熱赤道ということもあり,これではほぼ北緯3°~4°を通る。
執筆者:山下 脩二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…網膜の神経成分はほぼ透明であるので,網膜色素上皮と脈絡膜が眼底の色を決め,これに網膜血管が加わる。眼底の部位は,黄斑と視神経乳頭を含む後極部,赤道部,周辺部に分けられる。眼底の病気は,出血,滲出物,混濁,変性,増殖組織などと血管自体の変化がおもなものとなっている。…
※「赤道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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