繰下(読み)くりさげる

精選版 日本国語大辞典 「繰下」の意味・読み・例文・類語

くり‐さ・げる【繰下】

〘他ガ下一〙 くりさ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 順に従って下または後ろへ送る。⇔繰り上げる
趣味遺伝(1906)〈夏目漱石〉三「彼等血統から吟味して、下から上へ溯る代りに、昔から今に繰りさげて来るより外に道はあるまい」
② 糸や綱などを、長くのばしながら次第に下げる。⇔繰り上げる
※新拾遺(1364)雑下・一九二「夕なぎにほつつしめなはくりさげてとまりけすらひよする舟人藤原光俊〉」
期日などを予定よりも遅くする。繰り延べる。⇔繰り上げる
百鬼園随筆(1933)〈内田百〉無恒債者無恒心「俸給日を繰下げて二十六日に」
引算で、ある位の引く方の数が引かれる方の数よりも大きいとき、一つ上の位から一を引き、引かれる数に十を加える。⇔繰り上げる

くり‐さげ【繰下】

〘名〙
① くりさげること。
歌舞伎処女評判善悪鏡白浪五人女)(1865)二幕「花道より郷兵衛羽織着流し、くり下(サ)げ」

くり‐おろ・す【繰下】

〘他サ四〙 順々に下へ送る。綱、ひもなどをのばしながら、少しずつ下へさげる。くりさげる。
※続詞花(1165頃)二〇「須磨の浦に網くりおろすうけ舟のうちかたぶきて世を歎くかな〈源親房〉」

くり‐さが・る【繰下】

〘自ラ五(四)〙
① 期日などが予定より遅くなる。
② 引算で、繰り下げる状態になる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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