家庭医学館 「耳のがん」の解説
みみのがん【耳のがん Cancer of the Ear】
耳介(じかい)、外耳道(がいじどう)、中耳(ちゅうじ)(耳のしくみとはたらきの「中耳のつくり(構造)」)などに発生するがんで、頭頸部(とうけいぶ)がんのなかでは、あまり頻度(ひんど)が高くありません。
中耳(ちゅうじ)がんでは慢性中耳炎(まんせいちゅうじえん)が長く続いていることが原因に関与している場合がありますが、その他の部位のがんの原因はあまりはっきりしていません。
[症状]
耳介や外耳道の入り口にできた腫瘍(しゅよう)は、外から見えます。中耳がんでは血液と膿(うみ)を含んだ耳だれ(耳漏(じろう))が出たり、耳痛(じつう)がおこります。進行すると、顔面神経(がんめんしんけい)まひが現われることもあります。
外耳道がんや中耳がんが疑われる場合は、CTやMRIなどの検査が必要で、生検(せいけん)が行なわれることもあります。
[治療]
中耳がんの治療は、手術が主体です。補助療法として放射線治療や化学療法が行なわれます。
耳介や耳の孔(あな)の入り口近くのがんは予後良好ですが、外耳道深部(がいじどうしんぶ)のがんや中耳がんの予後は一般的に不良です。