慢性中耳炎(読み)マンセイチュウジエン

デジタル大辞泉 「慢性中耳炎」の意味・読み・例文・類語

まんせい‐ちゅうじえん【慢性中耳炎】

鼓膜に穴が開いたままの状態となり、細菌ウイルス中耳に感染し、慢性的な炎症を起こす、中耳炎一種耳垂れ難聴などの症状がみられるが、多くの場合痛みはない。小児期急性中耳炎が適切に治癒せず、鼓膜の穴が閉じずに残った場合に起こることが多い(慢性化膿性中耳炎)。他にも、鼓膜が陥没して中耳腔に癒着した場合(癒着性中耳炎)や、鼓膜の上皮が中耳内に入り込んで角化した場合(真珠腫性中耳炎)にも起こる。外耳道と中耳道を洗浄し、抗生物質の点耳薬などを用いて治療する。真珠腫がある場合は、放置すると骨を破壊し合併症を引き起こすおそれがあるため、手術により除去する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慢性中耳炎」の意味・わかりやすい解説

慢性中耳炎
まんせいちゅうじえん
chronic otitis media

慢性中耳炎は大きく3つに分けられる。慢性化膿 (かのう) 性中耳炎は,鼓膜に大きな孔があって,膿汁が出て難聴になるもので,近年は減少傾向にある。これに反し,患者が急増しているのが滲出性 (しんしゅつせい) 中耳炎で,特に幼小児に多発している。鼓膜に孔があかず,したがって痛みもないことが特徴で,大部分は 10歳前後に自然治癒するが,学童期に難聴が強くなるので,小学校での成績等に影響を与えることが多い。また真珠腫性中耳炎は,滲出性中耳炎から進展するものが多く,鼓膜の一部が中耳の中に引き込まれ,そこで徐々に大きくなって中耳を破壊してしまう。放置すると内耳炎,顔面神経まひあるいは脳膜炎といった重大な病気を併発することもある。

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世界大百科事典(旧版)内の慢性中耳炎の言及

【中耳炎】より

…子どもに多い病気である。 鼓膜に穴(穿孔(せんこう))があって閉じないときは,慢性中耳炎とよばれる。難聴と耳からの排膿(耳漏,みみだれ)がみられるが,痛みはほとんどない。…

※「慢性中耳炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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