耳針療法(読み)じしんりょうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「耳針療法」の意味・わかりやすい解説

耳針療法
じしんりょうほう

耳に針を刺し全身の疾患を治療するもの。中国の古い文献には,すでに耳を治療の対象にしていたことが記載されているが,耳針療法という一つの治療体系を作ったのは,フランスのリヨンで針治療を研究していた P.ノジエである。ノジエは 1949年にフランスで行なわれた針の国際学会で,最初の耳針療法の発表をしている。ノジエの発想は,全身の部位臓器はそれぞれ耳に投影するという考えから出発し,診断法と治療法を開発した。そのきっかけとなったのは,一農婦民間療法で耳をコテで焼いているのを見たことだという。耳のつぼは「耳針点」と呼ばれ,一般のつぼとは異なる命名法で,身体各部の名称を付されたものが多い。針は特製の「耳針」か一般の針の短いものなどを用い,単に刺針するだけでなく,針を固定したり電流を通すことも行なう。

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