聳く(読み)ソビク

デジタル大辞泉 「聳く」の意味・読み・例文・類語

そび・く【×聳く】

[動カ四]
そびえる。
「―・ける石巉巌として」〈三蔵法師伝古点・九〉
雲・煙などがたなびく。
「黒雲空に―・きて」〈今昔・七・一一〉

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精選版 日本国語大辞典 「聳く」の意味・読み・例文・類語

そび・く【聳】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
    1. そびえる。高く立つ。上へのびる。
      1. [初出の実例]「をどろきさめていでて見給に火の光あかりそひけり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
      2. 「聳(ソヒケ)る石巉巖として、飛泉栄映たり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)九)
    2. 雲・霞・霧・煙などが、細く立ってなびく。横に流れる。横にひろがる。たなびく。また橋などがかかっている意。
      1. [初出の実例]「西の方より紫の雲聳(そびき)て来(きた)る」(出典:今昔物語集(1120頃か)一二)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
    1. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「樹の身高く聳(ソビケ)て二由旬半なり」(出典:守護国界主陀羅尼経平安中期点(1000頃)一)
    2. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「紫雲ななめにそびけたり」(出典:当麻曼荼羅縁起(鎌倉中))

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