紫雲(読み)シウン

デジタル大辞泉 「紫雲」の意味・読み・例文・類語

し‐うん【紫雲】

紫色の雲。念仏行者が臨終のとき、仏が乗って来迎らいごうする雲。吉兆とされる。
[類語]白雲はくうん白雲しらくも青雲茜雲黒雲暗雲彩雲浮き雲千切れ雲片雲横雲棚雲豊旗雲笠雲飛行機雲筋雲鰯雲鯖雲鱗雲薄雲羊雲群雲朧雲乱雲雨雲雪雲曇り雲霧雲積み雲綿雲入道雲雲の峰かなとこ雲雷雲夕立雲夏雲

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精選版 日本国語大辞典 「紫雲」の意味・読み・例文・類語

し‐うん【紫雲】

  1. 〘 名詞 〙 むらさき色の雲。めでたいしるしとされ、念仏行者の臨終などにあたって、阿彌陀仏がこの雲に乗って来迎(らいごう)するという。
    1. [初出の実例]「播磨国言、紫雲見」(出典:日本文徳天皇実録‐仁寿二年(852)二月丙辰)
    2. 「観音、蓮台をさしあげて、聖のまへにより給ふに、紫雲あつくたなびき」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一三)
    3. [その他の文献]〔南史‐宋文帝紀〕

紫雲の補助注記

神仙・道教思想に源があり、徳の高い天子・君子が在位する時に現われるとされる。「文徳実録」の例は和気仲世を讚美したもので、仲世の死とかかわって述べている。仏教では、紫雲は念仏行者の臨終が正しく浄土往生であることを証明するものとされた。

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普及版 字通 「紫雲」の読み・字形・画数・意味

【紫雲】しうん

紫色の雲。瑞雲。〔南史、宋太祖紀〕景の初、り、西方に見ゆ。五色の雲之れに隨ふ。二年、江陵上に紫雲り。氣を皆以爲(おも)へらく、王の符、當(まさ)に西方に在るべしと。

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デジタル大辞泉プラス 「紫雲」の解説

紫雲

バラの園芸品種名。木立ち性で大輪、濃赤紫色の高芯剣弁咲きの花をつける。四季咲き。作出国は日本

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