日本歴史地名大系 「肝付文書」の解説
肝付文書
きもつきもんじよ
解説 写本が肝付兼達家に所蔵されるほか、東京大学史料編纂所に影写本「肝属文書」、謄写本「肝属氏系図文書写」、伊地知季安撰「新編伴姓肝属氏系譜」などがある。文書総数五一〇点。肝付氏は伴姓、本宗家は鎌倉時代肝付郡弁済使、南北朝時代南朝方、佐殿方(反幕府・反島津方)として活躍、戦国末に島津氏に服属、近世鹿児島城下士となる。その間の中世有力在地領主としての相論・合戦関係文書が多い。室町時代に分れて早く島津家に服属した一流は大崎・溝辺・加治木などの領主を経て近世喜入郷の私領主となり、相伝文書などを近世末編集して写本「肝付統譜」など六五冊を残した(鹿児島大学附属図書館蔵)。本宗・庶家文書併せて鹿児島県史料「家わけ二」に収載。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報