肺切除療法(読み)はいせつじょりょうほう

日本大百科全書(ニッポニカ)「肺切除療法」の解説

肺切除療法
はいせつじょりょうほう

肺疾患に対する外科的治療の一つ。肺を肺区域、肺葉などその解剖学的単位に従って切除する肺区域切除、肺葉切除、肺摘除と、解剖学的単位とは無関係に部分的に切除する肺部分切除とがある。普通は背部から側胸部にかけて斜めに皮膚切開を加え、第5あるいは第6肋骨(ろっこつ)床で開胸して肺切除を行う。

 肺切除療法の対象となる疾患は、良性疾患では肺化膿(かのう)症、膿胸、肺結核症、気管支拡張症、肺真菌症などである。これらの疾患のなかで、内科的治療で治癒する見込みがないものに肺切除が適用される。良性腫瘍のうち、肺動静脈瘻(ろう)のように合併症が発生するおそれのあるものには肺切除が行われるが、術前に良性腫瘍と確診がついたものには、最近では肺切除は行われない。悪性腫瘍に対しては、手術適応があれば原則として肺切除療法が行われる。この際、肺切除のほかに肺門部および縦隔のリンパ節廓清(かくせい)も行われる。

[石原恒夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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