良性の特徴をもつ腫瘍の総称。腫瘍(新生物neoplasm)とは、体の中に生じた異常な細胞が本来の制御を逸脱して、自律的に増殖し続けることによって生じる腫瘤(しゅりゅう)、病変をさす。腫瘍は良性のものと悪性のものとに大別され、両者を比較すると、良性腫瘍には次のような特徴が認められる。
(1)良性腫瘍は悪性腫瘍に比して、正常な細胞、組織との形態の変化の度合い(異型性)が弱い。
(2)良性腫瘍は悪性腫瘍に比して発育の速度が緩徐で、悪性腫瘍がしばしば再発するのに対して、良性腫瘍では再発はほとんど認められない。
(3)組織や細胞の間に浸潤して広がる「浸潤性発育」の形をとることが多い悪性腫瘍に対して、良性腫瘍はもっぱら周囲の組織を押しのけて増殖する「膨張性(拡張性)発育」の形をとる。
(4)悪性腫瘍は、原発部位から離れた場所に運ばれて新たに発育すること(遠隔転移)を特徴とするが、良性腫瘍では転移は起こらない。
(5)悪性腫瘍は、発生した臓器ばかりでなく全身に重篤な影響を及ぼすが、良性腫瘍では全身に与える影響はしばしば軽度である(ただし、脳など生命維持に重要な臓器に発生した場合には生命にかかわることもある)。
[渡邊清高 2018年1月19日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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【癌の種類】
異常な細胞が過剰に増生してつくる組織の塊を,腫瘍tumorあるいは新生物neoplasmという。腫瘍のうち,浸潤や転移を起こさず,成長にも限界があるものを良性腫瘍,そうでないものを悪性腫瘍という。悪性腫瘍はすなわち癌である。…
…異常な細胞が過剰に増生してできる組織の塊をいう。このうち浸潤や転移を起こさず,成長に限界のあるものを良性腫瘍,そうでないものを悪性腫瘍といい,後者が癌である。腫瘍の種類,発生機構,性状など,詳細については〈癌〉の項を参照されたい。…
※「良性腫瘍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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