出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…また横隔膜が弛緩すると,ドームは再び上方に向けて高まり,胸腔が縮小して息をはき出す(呼気)。われわれが日常行っている呼吸運動には,このような横隔膜の上下運動による横隔膜呼吸(腹式呼吸ともいう)と,肋骨の上下運動による肋骨呼吸(胸式呼吸)とがある。日常はこの二つの呼吸様式を合併して行っている。…
…呼吸数は新生児では1分間に29回(未熟児では34回),健康な成人では安静時1分間に平均11.7(10.1~13.1)回,軽労働時に平均17.1(15.7~18.2)回,重労働時に平均21.2(18.6~23.3)回で,24回をこえることはない。呼吸筋として横隔膜がおもに働く場合を腹式呼吸,肋間筋が主体となる場合を胸式呼吸というが,自然の呼吸運動では両方が共存している。おおよそ,肺活量の2/3が横隔膜の運動に,1/3が胸郭の運動によっている。…
…横隔膜が収縮して下降することにより吸息を行う型の呼吸。胸囲の前後左右径の拡大によって吸息の行われる型の胸式呼吸chest respirationと対比されて呼ばれるが,実際には正常者ではこの二つの型の呼吸は混在しており,かつ腹式呼吸のほうが優勢である。横隔膜が収縮すると,肝臓,胃などの上腹部が下方に押し下げられ,腹囲は拡大するが,横隔膜が弛緩すると,胸腔内に生じた陰圧,腹腔の陽圧によって横隔膜は上方に押し上げられ,いわば受動的に呼息がなされる。…
※「胸式呼吸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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