日本大百科全書(ニッポニカ) 「脈波計」の意味・わかりやすい解説
脈波計
みゃくはけい
血管の内圧および外径は、心臓の拍動に応じて変化する。これを圧変化または容積変化として観測したのが脈波で、脈波を測定する装置が脈波計である。脈波形からは心臓血管系のポンプ機能の特性や動脈硬化の程度を知ることができ、循環器の精密検査に採用されている。圧脈波は、心尖(しんせん)拍動、頸(けい)動脈波、頸静脈波、その他の大血管の脈波を、半導体感圧素子を用いた脈波計で測る。その結果は血管内圧を直接測定した結果とほぼ一致することが確かめられている。容積脈波は末梢(まっしょう)血管系の容積変化を測定するもので、機械的測定法では一定の圧容器に指尖などを入れて、水や空気の圧変化を測る。また、光電式では末梢血液量の変化を、ヘモグロビン濃度による透過光または反射光の減衰によって測る。インピーダンス法では、拍動に伴う電気インピーダンス変化から血液量変動を推定する。
[古川俊之]
『渡辺敏編集『ME早わかりQ&A 3――血圧計・心拍出量計・血流計・脈波計・血液ガス分析装置・心臓カテーテル検査』(1988・南江堂)』