翻訳|impedance
電流の流れにくさを表す量で,電圧と電流との比。単位はオーム,単位記号はΩ。これの逆数はアドミタンスという。直流回路では,電圧と電流との比は電気抵抗に等しいが,交流回路では,インピーダンスの構成要素は電気抵抗だけではない。L(H)のインダクタンスに,角周波数ω(rad/s)の交流電流1Aを流すとωL(V)の端子電圧になるが,電流よりも電圧の位相が90度(1/4周期)進むため,これのインピーダンスはjを虚数単位(j2=-1)とすればjωL(Ω)と表現する。一般のインピーダンスZはZ=R+jX(Xは誘導性のとき正,容量性のとき負)という複素数で表現され,実数部は抵抗,虚数部はリアクタンスと呼ばれる。インダクタンスL(H)についてはX=ωL,キャパシタンスC(F)についてはX=1/(ωC)である。インピーダンスZの大きさはである。偏角はtan⁻1(X/R)で,電流に対する電圧の進み角(電圧に対する電流の遅れ角)に相当する。直列接続されたものの合成インピーダンスは,各部分のインピーダンスの和になる。インピーダンスの概念は,機械,音響などの力学系にも拡張され,これを力学的インピーダンスmechanical impedanceという。
執筆者:曾根 悟
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正弦波状に変化する入力量に対する正弦波状に変化する出力量の比。電気的インピーダンス、音響的インピーダンス、機械的インピーダンスなどがある。ただし、インピーダンスの概念は電気回路学から生じているので、単にインピーダンスという場合は電気的インピーダンスをさし、定義も、交流回路に電圧を加えたときの電流の流れにくさを示す量となる。直流回路では、電流を妨げる要素は抵抗のみなのに対し、交流回路では、抵抗のほかに、電磁誘導によって生ずる誘導係数、つまり自己インダクタンス、相互インダクタンス、およびキャパシタンス、つまり静電容量も電流の流れを妨げる働きをする。またインダクタンスやキャパシタンスは電流の位相にも影響を及ぼす。このように電流の位相に影響を及ぼす回路の要素をリアクタンスとよんでいる。インピーダンスは複素数(実数と虚数単位で表される数)表示され、実数部にレジスタンスあるいは抵抗成分(記号はR)、虚数部にリアクタンス(記号はX)をもつ。また、インピーダンスは交流回路の電流の流れやすさを示すアドミタンスの逆数である。単位は1ボルトの交流電圧を加えたとき、1アンペアの交流電流が流れるインピーダンスを1オーム(Ω)と定めてある。記号はZで、Z=R+jX(jは虚数単位)の関係である。
[布施 正・吉澤昌純]
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…電圧と電流との比をインピーダンス,その逆数,つまり電流と電圧との比をアドミタンスという。サセプタンスはアドミタンスの虚数部である。…
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