動脈硬化(読み)ドウミャクコウカ

百科事典マイペディアの解説

動脈硬化【どうみゃくこうか】

動脈壁が肥厚・硬化して弾力性が失われた状態。老化現象の一種だが,若年者に起こる場合は遺伝的関係が濃い。脂質,特にコレステロール動脈壁内面に沈着し,粉瘤(ふんりゅう)を形成するアテローム(粥状)硬化症や,動脈の中膜に石灰沈着などを呈する中膜硬化症のほか,本態性高血圧の際,おもに腎臓など内臓の細動脈・小動脈に発生して動脈壁が肥厚し,内腔が狭くなる細小動脈硬化症がある。最も有害なアテローム硬化症は脳動脈,冠状動脈などに起こりやすく,脳動脈硬化では頭痛,めまい,精神異常などを呈し,脳梗塞(こうそく)の原因となる。冠状動脈硬化では心臓部疼痛(とうつう)や不整脈などを呈し,狭心症心筋梗塞などの原因となる。治療は薬物による原因の除去のほか食事療法が必要。極端に血管が細くなっている場合は,手術で血管の内膜や粥腫を除いたり,人工血管やバイパス術,バルーン療法などを行う。
→関連項目ウェルナー症候群高コレステロール血症小児成人病成人病大動脈瘤テオフィリン動脈瘤脳溢血不眠症老人病

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生活習慣病用語辞典の解説

動脈硬化

動脈の壁にコレステロールなどの脂肪を含む物質が沈着し、血管が狭くなったり、固くなったりして弾力が失われた状態。このため、血液の流れが悪くなり、血管の弾力性が失われ固くなるため血管がもろく壊れやすくなります。全身どの動脈にも発生します。

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世界大百科事典 第2版の解説

どうみゃくこうか【動脈硬化 arterial sclerosis】

動脈壁の肥厚,硬化,構造変化,機能低下による動脈病変の総称。動脈硬化が進むと血流が妨げられたり,血管壁の壊死によって出血するなど,循環障害を起こし,また脳動脈硬化は脳卒中(脳出血や脳梗塞(こうそく)),冠状動脈硬化は虚血性心疾患などの原因となる。
[動脈硬化の分類]
 動脈硬化は病理形態学的には粥状硬化,中膜硬化,小・細動脈硬化の3型に分類される。(1)粥状硬化 アテローム硬化ともいう。3型のうち最も多くみられ,脳,心臓,末梢血管の循環障害をひき起こし,脳卒中や虚血性心疾患などの原因となるので,臨床上重要である。

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世界大百科事典内の動脈硬化の言及

【血管系】より

…血管では重複大動脈弓,右側大動脈弓,大動脈弓分枝異常,重複下大静脈など大血管にも大きな形成異常が知られているが,高年齢まで生存する者も多い。 動脈硬化は動脈の長年にわたる障害の結果で,老人性変化の一つである。動脈壁の肥厚,硬化,改築を示す限局性病変の総称で,粥状硬化,中膜硬化,細動脈硬化などがあるが,一般に動脈硬化といえば粥状硬化を指す。…

【糖尿病】より

…(4)口の渇き,多飲,多尿,急速な体重減少が生じやすく,重症になると昏睡におちいる。(5)細い小血管が障害されるために,網膜,腎臓,神経が侵されやすく,動脈硬化も促進される。(6)適当量の食事,適度の運動,インシュリンや経口糖尿病薬などの投与で病態は改善できる。…

【脳梗塞】より

…脳梗塞は次の四つに大きく分けられる。すなわち,動脈硬化であるアテローム硬化を伴う脳血栓症,脳塞栓症,他の原因による脳梗塞,原因不明の脳梗塞である。(1)アテローム硬化を伴う脳血栓症 頸動脈や脳動脈にアテローム硬化をきたし,その部に凝血塊(血栓)を生じるもので,俗に脳血栓ともいわれる。…

【鼻血】より

…原因が不明な特発性のグループは鼻出血総数の約80%を占め,なんの心当りもないのに突然に,しかも出血の時間は短時間(数分から10分以内)に限られる特徴がある。原因が明らかな症候性のものには,外傷,鼻の腫瘍,高血圧症,動脈硬化症,白血病,貧血などさまざまな病気がある。小児の鼻出血に多い原因は外傷で,頭や顔を打った,鼻炎や副鼻腔炎でくしゃみや鼻をかむ回数が多い,鼻腔に異物を入れた,鼻をこすったりほじったりした,などがよくみられる。…

※「動脈硬化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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