内科学 第10版 「腰椎穿刺法・随圧測定」の解説
腰椎穿刺法・随圧測定(脳脊髄液検査)
髄液採取は一般的には腰椎穿刺法で行われるが,ほかに後頭下穿刺法,頸椎側方穿刺法がある.脊髄は通常第1腰椎椎体または第1・2腰椎椎間板の高さまで存在する(小児ではさらに下位まで下がっている).両側腸骨稜の最上端を結ぶ線(Jacoby線)は第3・4腰椎椎間腔もしくは第4腰椎棘突起上を通る.この線を指標にして,穿刺部位は第4・5腰椎棘突起間または第3・4棘突起間で行う.
圧測定用のガラス管内の液面が呼吸性に動揺していれば,くも膜下腔内の大きなブロックはないと考えられるが,Queckenstedt試験で確認してもよい.両側頸部(頸静脈)を圧迫すると,速やかにガラス管内の液面が上昇し,圧迫を取り除くと速やかに下降するのが正常で,本試験陰性という.圧の上昇,下降が遅延する場合は本試験陽性で,くも膜下腔内のブロックの存在が考えられる.次に必要量の髄液を採取する(通常5~10 mL).終圧を測定したら,針を抜去する.終了後は2~3時間ベッド上安静を保たせる.[安東由喜雄]
■文献
Davson H, Welch K, et al: The Physiology and Pathophysiology of the Cerebrospinal Fluid, pp 247-267, pp 583-656, Churchill Livingstone, London, 1987.大石 実,他:神経内科臨床トレーニング.医学書院,東京,1991
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報