内科学 第10版 「膵神経内分泌腫瘍」の解説
膵神経内分泌腫瘍(膵疾患)
病理学的特徴
膵神経内分泌腫瘍の病理学的分類は2000年のWHO分類が最近まで用いられていたが,生物学的悪性度をより反映するものとして2010年に新たなWHO分類に改訂された(表8-9-9).新しい分類は核分裂像数とKi67指数をgradingし,悪性度の評価として細胞増殖能を重視したものとなっている(表8-9-10).膵神経内分泌腫瘍は細胞質が豊かで,円形ないしは楕円形の核をもつ比較的形のよく揃った細胞が索状,胞巣状,シート状に配列する.免疫組織化学染色でクロモグラニンA,シナプトフィジンなどの神経内分泌マーカーが陽性に染まり,機能性腫瘍では,それぞれのホルモン産生細胞の増殖が認められる.[清水京子・白鳥敬子]
■文献
Imamura M, Takahashi K, et al: Usefulness of selective arterial secretin injection test for localization of gastrinoma in the Zollinger-Ellison syndrome. Ann Surg, 205: 230, 1987.
Raymond E, Dahan L, et al: Sunitinib malate for the treatment of pancreatic neuroendocrine tumors. N Engl J Med, 364: 501-513, 2011.
Yao JC, Shah MH, et al: Everolimus for advanced pancreatic neuroendocrine tumors. N Engl J Med, 364: 514-523, 2011.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報