デジタル大辞泉
「舌音」の意味・読み・例文・類語
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ぜつ‐おん【舌音】
〘名〙
①
悉曇(しったん)学でいう五類声の一つ。ṭ ṭh ḍ ḍh ṇ 音の総称。舌声
(ぜっしょう)。〔涅槃経悉曇章〕
② 古代の日本の韻学で、すべての音を喉・舌・唇の三つに分けた一つ。通常は、舌内、もしくは単に舌という。
※韻鏡指要録(1773)「脣音の字は脣を主として呼び、舌音の字は舌を主として呼び」
③ 中国音韻学の五音説もしくは七音説中の一音。t(端母)・t′(知母)・t‘(透母)・t′‘(徹母)・d‘(定母)・d′‘(澄母)・n(泥母)・n′(娘母)を一括した呼称。その他 l(来母)・nz(日母)を入れることもある。
※韻鏡開奩(1627)「タ〈チヤ ツワ〉チ〈ツヰ〉ツ〈チユ〉テ〈チヱ ツエ〉ト〈チヨ ツオ〉 舌音 ナ〈
ニヤ ヌワ〉ニ〈ヌヰ〉ヌ〈ニユ〉子〈ニヱ ヌエ〉ノ〈ニヨ ヌオ〉 舌音 ラ〈
リヤ ルワ〉リ〈ルヰ〉ル〈リユ〉レ〈リヱ ルエ〉ロ〈リヨ ルオ〉舌音」 〔韻鏡〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報