芳香族ポリアミド(読み)ホウコウゾクポリアミド

化学辞典 第2版 「芳香族ポリアミド」の解説

芳香族ポリアミド
ホウコウゾクポリアミド
aromatic polyamide

主鎖ベンゼン環を有するポリアミド総称.主鎖がベンゼン環とアミド結合のみから構成されているときは,とくに全芳香族ポリアミド(アラミド)とよばれる.主鎖にベンゼン環を導入することで,ナイロンなどの脂肪族ポリアミドより耐熱性が大幅に向上する.p-フェニレンジアミンとテレフタル酸を原料としたパラ型全芳香族ポリパラフェニレンテレフタルアミド(ケブラー)はすぐれた耐熱性とともに,液晶紡糸が可能なことから高強度繊維として使用されている.一方,メタ型のポリメタフェニレンイソフタルアミド(ノーメックス)は,耐熱,難燃繊維として用いられている.芳香族モノマーと脂肪族モノマーを組み合わせた半芳香族ポリアミドなどもある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の芳香族ポリアミドの言及

【化学繊維】より

…優れた光沢,美しい色,しわになりにくさ,快適さを備えた絹に似たドレス用繊維で,比重1.03と非常に軽い。 アラミド(芳香族ポリアミド)は全芳香族ポリアミドの芳香環をアミド結合で結んだ高分子で,非常に優れた耐熱性と強度をもつ繊維が作られている。ポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド)繊維はデュポン社のケブラーKevlar(商標)だけが製造されている。…

※「芳香族ポリアミド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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