液晶紡糸(読み)エキショウボウシ

化学辞典 第2版 「液晶紡糸」の解説

液晶紡糸
エキショウボウシ
spinning of liquid crystalline polymer

分子鎖が剛直な高分子は,液晶を形成しやすくなる.このような液晶状態から繊維を製造する方法をいう.液晶状態にある高分子の溶液または融体を流動させると,流動方向に分子鎖は容易に配向するため,高強度繊維が得られる.たとえば,ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)を濃硫酸に溶かすと,ある溶液濃度で液晶が形成され,この溶液を乾湿式法で紡糸することにより繊維(ケブラー)が得られる.[別用語参照]乾式紡糸湿式紡糸

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の液晶紡糸の言及

【液晶】より

…一般に物質の存在のしかたとして,固体,液体および気体の3相があることはよく知られているが,液晶はこの固体(結晶)と液体の中間的な相ということができる。すなわち通常,液体の特徴は流動性を示し,それを構成している分子は無秩序に並んでいて,その属性としての物理的性質はすべての方向で同じ(等方的)である。また,固体(結晶)を構成する原子や分子の配列には規則性があり,結晶体が単結晶ならば方向によって物理的性質が異なる(異方性)。…

※「液晶紡糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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