苦悩のなかを行く(読み)くのうのなかをいく(その他表記)Khozhdeniye po mukam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「苦悩のなかを行く」の意味・わかりやすい解説

苦悩のなかを行く
くのうのなかをいく
Khozhdeniye po mukam

ソ連の作家 A.N.トルストイ長編小説革命を生抜いた知識人の苦難の物語。 1920~41年まで約 20年間にわたり執筆。3部から成り,第1部『姉と妹』 Sestry (1921) は,美しい姉妹ダーシャとカーチャ,その父や技師ら退廃的な生活にひたる知識人たちが,革命の嵐のなかに放り込まれ,そろって反革命の陣営に加わるまでを,第2部『1918年』 Vosemnadtsatyi god (27~28) は,国中の崩壊アナーキスト,マフノの反乱,白軍との激闘などの革命的混乱,そして第3部『灰色の朝』 Khmuroe utro (41) は,廃虚と試練のなかで生命や思想の危機を乗越えた主人公たちがついに再会し,新しい生活を受入れようとするまでを描く。

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