コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

長編小説 チョウヘンショウセツ

3件 の用語解説(長編小説の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

ちょうへん‐しょうせつ〔チヤウヘンセウセツ〕【長編小説】

雄大な構想で多くの人物が登場し、事件・場面などが多岐に展開される、長い小説。長編。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

ちょうへんしょうせつ【長編小説】

多くの人物が登場し、さまざまの事件がいりくんだ複雑な構成をもつ長い小説。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

長編小説
ちょうへんしょうせつ
novel英語
fictionアメリカ英語
romanフランス語
Romanドイツ語

短編、中編に比して長い小説をさし、欧米では、小説といえば長編小説のことである。内容的には連話小説、遍歴小説、風俗小説、幻想小説などと何種類にも分類できるが、それらに共通する構造を考えてみると、短編、中編よりも拡散的、写実的で、一見むだな卑俗な部分を含む緩い構成が特徴といえる。したがって、矛盾を含む多元多重的記述が可能で、論理的思弁を超える、複雑で不定形な人間心理や社会的現象をとらえるのにいっそう適し、それが逆に、近代の小説家たちに、総体的で実証的な現実認識と人間探究の手段として、長編小説を利用させるに至った。バルザックやゾラ、トルストイドストエフスキーディケンズサッカレーの長編、ロマン・ロランやジュール・ロマンやトーマス・マン大河小説は、そうした野心のみごとな成果である。しかし、19世紀的な実証主義思潮の凋落(ちょうらく)とともに、プルーストの『失われた時を求めて』(1913~27)やジョイスの『ユリシーズ』(1922)のように、観察者と観察対象、主観と客観の素朴な二元論に疑問を投じ、小説観の転換を迫る作品が現れるに至って、現実認識の努力そのものが認識の不可能性を露呈させて、長編小説の成立基盤を揺るがせた。その後もフォークナー、シモン、ビュトール、マルケスのように、このジャンルの再生を図る作家は多いが、氾濫(はんらん)する長編小説の通俗性は覆いがたい。その意味では、サルトルの『自由への道』(1945~49)が未完に終わったのは象徴的である。
 日本でも紫式部の『源氏物語』のような王朝もの、『平家物語』などの軍記もの、滝沢(曲亭)馬琴(ばきん)の『南総里見八犬伝』(1814~42)に代表される伝奇ものなど、長編物語の歴史は多彩豊饒(ほうじょう)であるが、構造的には連話形式のものが多く、近代的な意味での長編小説は、島崎藤村(とうそん)の『破戒』(1906)に始まるとされる。以後、夏目漱石(そうせき)の『こゝろ』(1914)、有島武郎(たけお)の『或(あ)る女』(1919)、藤村の『夜明け前』(1932~35)、谷崎潤一郎の『細雪(ささめゆき)』(1943~48)などの傑作を生んだが、量産による類型化はやはり避けがたく、そのなかで大岡昇平の『レイテ戦記』(1967~69)、埴谷雄高(はにやゆたか)の『死霊(しれい)』(1946~95)などが、このジャンルの再活性化を企てているといえよう。[平岡篤頼]
『加賀乙彦著『日本の長篇小説』(1976・筑摩書房) ▽篠田一士著『日本の現代小説』(1980・集英社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

長編小説の関連キーワード乗合船偉人烏有先生大獄大人物登場万口雄大バンダインの二十則吉田比砂子

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone

長編小説の関連情報