莫邪(読み)ばくや

精選版 日本国語大辞典 「莫邪」の意味・読み・例文・類語

ばくや【莫邪・莫耶・&GI3313;&GI32E1;】

  1. [ 1 ] 中国春秋時代の刀工干将がきたえた二口の名剣の一つ。妻莫邪の髪を炉に入れて作り上げたといわれ、陽を「干将」、陰を「莫邪」と名づけたという。
    1. [初出の実例]「左手提莫耶。右手提干将。与師周旋歩八荒」(出典:禅居集(1315)呈開先一山和尚)
    2. [その他の文献]〔賈誼‐弔屈原文〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]から転じて )
    1. 刀剣鍛冶をいう。
      1. [初出の実例]「此太刀と申すは、〈略〉ぶあく大夫と云ふばくやをめし三か月に作らせ」(出典:曾我物語(南北朝頃)八)
    2. 文楽の首の一つ。時代物の極悪な婆に用いる。「安達原」の鬼婆など。
      1. 莫邪<b>[ 二 ]</b><b>②</b>
        莫邪[ 二 ]

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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