朝日日本歴史人物事典 「薬師寺種永」の解説
薬師寺種永
江戸前期の砲術家。自覚流砲術の創始者。宇右衛門と称した。平戸(長崎県)のオランダ人から大砲術を修めた父久左衛門種広より鍛練流砲術を受け継いでいたが,島原の乱(1637~38)に参加してオランダ砲隊に協力するようになったことで,オランダの砲術に一層の関心を持ち,父伝の鍛練流に工夫を加えて自覚流砲術を唱えるに至った。その特徴とするところは移動砲架を持った野戦砲と測距法にある。子孫は代々長崎の町年寄を勤め,併せて長崎港警備の砲台を預かり幕末におよんだ。
(所荘吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報