藕益智旭(読み)ぐうえきちきょく(その他表記)Ǒu yì zhī xù

改訂新版 世界大百科事典 「藕益智旭」の意味・わかりやすい解説

藕益智旭 (ぐうえきちきょく)
Ǒu yì zhī xù
生没年:1599-1655

中国,明末の僧。八不道人,始日大師とも呼ぶ。憨山(かんざん),雲棲達観とあわせて,明代四高僧に数える。呉県木瀆(もくとく)(江蘇省中部)の人,姓は鍾,名は際明,字を素華という。憨山の禅,雲棲の浄土教をうけて,主として天台と律によって,仏教の総合再編につとめた。禅教離反,各宗偏向を排して,《大蔵経》の要義をあつめて,《閲蔵知津》をつくる。晩年,杭州西湖の霊峰にあり,門人成時がその説を集めて《霊峰宗論》を編する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の藕益智旭の言及

【易学】より

…朱子は象数・義理が未分の原初の姿に《易》をもどすことによって,これを倫理の書として活用しようと考えたのであった。明代には来知徳の易注のほかにはみるべきものがないが,天台の教義によって《易》を解釈した藕益智旭(ぐうえきちぎよく)の《周易禅解》が異色である。考証学の栄えた清朝では,易学の分野でも胡渭(こい),恵棟(けいとう),焦循(しようじゆん)などが輩出し,漢易の復元につとめたが,易注を通して自己の気一元論的世界観を展開した,明末・清初の王夫之(船山)が異彩を放っている。…

※「藕益智旭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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