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大蔵経 だいぞうきょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大蔵経
だいぞうきょう

『蔵経』『一切経』『三蔵』ともいう。大別して3種類になる。 (1) パーリ語三蔵 原始仏教聖典で,仏陀の説いた教え (経蔵) と戒律 (律蔵) ,ならびに弟子たちの教法に対する研究 (論蔵) を含んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

だいぞう‐きょう〔ダイザウキヤウ〕【大蔵経】

仏教の聖典を総集したもの。経・律・論の三蔵を中心に、それらの注釈書を加えたもの。一切経(いっさいきょう)。蔵経。

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百科事典マイペディアの解説

大蔵経【だいぞうきょう】

一切(いっさい)経,蔵経とも。中国における仏教経典の総集の呼称。経蔵・律蔵・論蔵の三蔵に中国で撰述された仏典若干を加える。隋代以後の呼称。近世以後は日本撰述の仏典を含めて,日本でもこの呼称を用いる。
→関連項目官版教典高麗本三蔵(仏教)天海

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世界大百科事典 第2版の解説

だいぞうきょう【大蔵経】

仏教聖典を総集したもの。〈一切経(いつさいきよう)〉〈三蔵(さんぞう)〉とも呼ぶ。元来,〈大蔵経〉の呼称は漢訳の〈三蔵〉に若干の中国人の撰述書を加えたものを指したが,現在ではその他の国語によるものも広く総称する。すなわち,漢語のほかに,パーリ語,チベット語モンゴル語,満州語のものがあり,西夏語のものも一部現存する。漢語やパーリ語から日本語に訳したものもこれに準じて扱われる。また,元来は〈大蔵経〉に編入される書物の基準は厳格に決められ,それ以外のものは〈蔵外(ぞうがい)〉と称されたが,近年日本で編纂されたものでは,より広範囲のものも含めている。

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大辞林 第三版の解説

だいぞうきょう【大蔵経】

〘仏〙 経・律・論の三蔵を中心とした仏教聖典の叢書。梵語・パーリ語の原典のほか、チベット語・中国語・蒙古語・満州語の訳本がある。一切経。蔵経。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大蔵経
だいぞうきょう

漢文に訳された仏教聖典の総称。一切経(いっさいきょう)ともいう。詳しくは漢訳大蔵経といい、略して蔵経という。チベット文のものを『西蔵(チベット)大蔵経』と称するごとく、現在では仏教聖典を集成したものについて広く転用される。本来は経(きょう)・律(りつ)・論(ろん)の三蔵を中心とした仏教典籍の総集をさすが、広義には中国、朝鮮、日本の撰述(せんじゅつ)書を含む。中国南北朝時代には一切衆蔵経典(いっさいしゅうぞうきょうてん)、一切経蔵の呼称がみられ、『天台智者(ちしゃ)大師別伝』には大蔵経の名がみえる。中国で初めて経典を翻訳したのは、後漢(ごかん)の桓(かん)帝の代148年(建和2)ごろ、洛陽(らくよう)にきた安息国の安世高(あんせいこう)である。おもに小乗経典を訳したが、霊帝の光和(こうわ)・中平(ちゅうへい)年間(178~189)に支婁迦讖(しるかせん)が翻訳したものは大乗経典であった。その後、各時代にわたって翻訳が行われ、元(げん)の時代まで1000年以上も続く。
 当初は、各自が書写して伝えたが、数の増大とともに正しく伝承し護持するために、訳された経典の目録がつくられた。もっとも古い目録は、前秦(しん)の道安(どうあん)の手になる『綜理衆経(そうりしゅうきょう)目録』(『道安録』とも略称される)である。これは、それまでの翻訳経典を分類整理して、(1)撰出経律論録、(2)異出経録、(3)古異経録、(4)失訳経録、(5)凉(りょう)土異経録、(6)関中異経録、(7)疑経録、(8)注経・雑経志録の8部に分かち、639部886巻を収めたとされる。この目録は現存しないが、梁(りょう)代に僧祐(そうゆう)がこれに基づき、さらに増補して『出三蔵記集(しゅつさんぞうきしゅう)』を著した。これが現存最古の優れた経録であり、『道安録』のおもかげをも伝えている。さらに隋(ずい)代には『法経(ほうきょう)録』、『彦(げんそう)録』(『仁寿(にんじゅ)録』ともいう)、『歴代三宝紀(れきだいさんぽうき)』がつくられ、唐代には『静泰(じょうたい)録』『大唐内典(だいとうないてん)録』『開元(釈教)録』『貞元(じょうげん)録』などが著された。これらの諸経録において、大・小乗、経律論などの分類・組織がしだいに確立され、とくに『開元録』に至って、もっとも完璧(かんぺき)な目録が出現した。その入蔵録に示されている1076部5048巻という部数・巻数は、大蔵経を新しく書写・入蔵する際の信頼すべき標準となった。俗に「5000余巻の大蔵経」といわれるのは、これに基づく。その後も、新訳経の追加や遺漏の補充がなされ、大蔵経の規模はますます大きくなり、中国人の著作も入蔵を許されるようになった。
 木版印刷の技術は唐代には開発されていたが、これを大蔵経に応用したのは宋(そう)代になってからである。これまでは写本の大蔵経であったが、この時代から刊本の大蔵経がつくられる。宋の太祖は971年(開宝4)、張従信(ちょうじゅうしん)を蜀(しょく)の益州(成都)へ派遣して大蔵経の雕造(ちょうぞう)を命じ、『開元録』に基づいて作業が進められ、12年かかって完成した。その板木を用いて太平興国寺(たいへいこうこくじ)内の印経院で刷られたものが、有名な蜀版大蔵経(北宋勅版大蔵経)である。宋代にはほかに福州東禅寺等覚院大蔵経(祟寧万寿(そうねいまんじゅ)大蔵)、福州開元寺版大蔵経(毘盧(びる)蔵、福州版)、湖州円覚寺版大蔵経(思渓(しけい)蔵、宋版)、磧沙(せきしゃ)版大蔵経があり、また宋代に着手し元代に完成した普寧寺(ふねいじ)版大蔵経(元版白雲宗門蔵経)がある。さらに宋版を模刻した元版大蔵経や、明(みん)の太祖による南京(ナンキン)大報恩寺版大蔵経(南蔵)、清(しん)の太宗による北京(ペキン)勅版大蔵経(北蔵)があり、明の万暦(ばんれき)年間(1573~1619)につくられた万暦版大蔵経がある。
 また中国以外でもたびたび開版がなされた。高麗(こうらい)では成宗(せいそう)(在位982~997)から顕宗(けんそう)(在位1010~30)の時代に蜀版を受け継いだ高麗(こうらい)版大蔵経がつくられた。高宗の時代に再雕(さいちょう)されたのが現存の海印寺版である。このほか、契丹(きったん)版、金(きん)版、西夏(せいか)版などもつくられた。このように多くの官版や私版による大蔵経の刊行は仏教の流伝に大きく貢献した。
 日本では988年(永延2)に東大寺の(ちょうねん)が宋から蜀版大蔵経を将来したのが大蔵経の初伝であろう。その後、高麗版や宋版、元版、明版が伝えられ、大蔵経開版も何度か企てられたが、完成をみなかった。最初に成功を収めたのは天台宗の天海(てんかい)による寛永寺(かんえいじ)版(天海(てんかい)版)である。その後、臨済(りんざい)宗の鉄眼道光(てつげんどうこう)によって明の万暦版を範とした黄檗(おうばく)版(鉄眼版)がつくられた。いずれも江戸時代である。明治になると、活版印刷の大蔵経がつくられた。縮刷蔵経、卍(まんじ)蔵経、卍続蔵経などがそれである。縮刷蔵経は高麗版に基づき、さらに中国・日本の典籍を増補して1916部8534巻とし、40帙(ちつ)418冊に収めた。卍蔵経は7082巻36套(とう)、卍続蔵経は7140余巻150套である。その後、大正から昭和の初頭にかけて刊行されたのが『大正蔵経』(『大正新修大蔵経』)で、本蔵1~85巻に収められた部数・巻数は3053部1万1970巻に上る。これに目録3巻、図像12巻を加え、全100巻の大叢書(そうしょ)とした。高麗版を底本とし、宋・元・明の各版を対校し、さらに天平(てんぴょう)写経、隋唐(ずいとう)の古写経、敦煌(とんこう)写本をも参照して学的な取捨を加え、質・量ともに充実を図った。現存するもっとも完備した大蔵経である。
 なお、転用された意味での大蔵経(一切経)には『国訳一切経』『国訳大蔵経』『日本大蔵経』『昭和新纂(しんさん)国訳大蔵経』『南伝大蔵経』『西蔵(チベット)大蔵経』『蒙古(もうこ)蔵経』などがある。いずれも一定の方針に基づいて編纂された仏教聖典の叢書である。『日本大蔵経』は日本撰述の仏典を集成したもの、『南伝大蔵経』はパーリ語の仏典を日本語に訳したもの、『西蔵大蔵経』『蒙古蔵経』はそれぞれチベット語、モンゴル語による大蔵経である。[岡部和雄]

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世界大百科事典内の大蔵経の言及

【一切経会】より

…漢訳仏教経典の集大成である一切経を供養する法会。一切経は大蔵経ともいい,中国では6世紀初頭から集成されはじめ,10世紀には宋版一切経が印刷された。日本では673年(天武2)3月,初めて飛鳥川原寺で一切経を書写せしめたが(《日本書紀》),これを完成し供養したかどうかはあきらかでない。…

【印刷】より

…〈五代〉につづく宋代(960‐1279)は中国における印刷術の黄金時代で,儒教経典をはじめ,あらゆる分野の書物が印刷された。972‐983年にわたって5048巻にのぼる《大蔵経》が四川省の成都で印刷された。印刷物自体も立派なもので,現存する宋版は芸術作品として珍重される。…

【金】より

…金の歴代皇帝は仏教を尊崇して保護したが,遼が仏教保護のために国費をついやして財政難を招いた先例に懲り,国民が仏教におぼれることを深く戒めたので,造寺造塔も遼ほどに盛んではなかった。しかし,《大蔵経(だいぞうきよう)》の印行という大事業を成し遂げて,その後の仏教界に大きな貢献をしていたことが近年になって判明した。それは1934年,山西省趙城県の広勝寺で発見せられたが,山西省の一比丘尼の発願により,熙宗時代から世宗時代にかけて,約35年をついやして完成したものであることが知られる。…

【写経】より

…《法華経》《維摩(ゆいま)経》《華厳(けごん)経》などの重要経典は,それぞれの信仰から数十部も写すことがあり,ことに《阿弥陀(あみだ)経》《金剛般若(こんごうはんにや)経》《般若心経》のような比較的短編で,しかも信仰の中心になったものは100部ないし数千部も書写された。 とくに南北朝,隋・唐時代には,漢訳仏典の総集で数千巻もある《一切経》(《大蔵経》)を写して寺におさめ,また宮廷や貴族の邸宅に備えることがおこなわれるようになり,写経の専門家や写経事業運営の官制まで発達するにいたった。書写の年月日と写経者,装潢(そうこう)者,初校・再校・3校者,祥閲の僧数名,書経事業監督官まで巻末に列名している675年(上元2)の《金剛経》のごときは,唐朝写経制度を推察するのによい例である。…

【西夏】より

… 崇宗・仁宗の時期はまた,仏教がもっとも栄えたときであり,政府は和尚功徳司,出家功徳司,求法功徳司といった役所を設けて仏教の隆盛を援助した。西夏は1100年までに少なくとも6回宋朝より大蔵経を下賜された。その西夏語への翻訳は,(1)3代恵宗と皇太后梁氏の訳本,(2)4代崇宗と皇太后梁氏の訳本,(3)5代仁宗の校訂本という3段階を経て行われ,(3)の時期には西夏大蔵経を作り出そうとの試みがあったとされている。…

【大正新脩大蔵経】より

…1924年から34年にかけて高楠順次郎(たかくすじゆんじろう),渡辺海旭(かいぎよく)らが東京大正一切経刊行会より刊行した大蔵経(仏教の経典類を集めた叢書)。とくに中国,日本で撰述された仏書を多数増補し,現在得られる大蔵経としては質量ともに最も優れている。…

【本】より

…そのうち建安(福建省)の余,臨安(杭州)の陳の2書肆は,大出版社として著名であったことが葉徳輝《書林清話》などから知られる。 宋代の官版は,歴史,儒学,禅宗などの典籍の出版が多かったが,とくに大出版として有名なのは,2代皇帝太宗の勅版《大蔵経》5048巻(971‐983)である。使用した版木の数13万枚と伝えられる。…

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