藪に功の者(読み)やぶにこうのもの

精選版 日本国語大辞典 「藪に功の者」の意味・読み・例文・類語

やぶ【藪】 に=功(こう)の者(もの)[=功(こう)・=功者(こうしゃ)

  1. ( 「やぶ」には「野夫」を、「こう」には「剛」をあててもいう )
  2. 草深い所にも立派な者がいるということ。ばかにしている者の中にも案外立派な者が交じっているということ。
    1. [初出の実例]「藪にはかうの物といへる児女子がたとへ、むねをたがへざりけり」(出典:十訓抄(1252)三)
    2. 「汝等が今度の働きは、勇将武夫も及ざる所なり。野夫(ヤブ)にも功者(コウシャ)ありとは、かかる事をやいふべき」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)残)
  3. ( 「藪」は藪医者の意 ) 藪医者だとばかにしている者の中にも案外名医が交じっているということ。
    1. [初出の実例]「やぶくすしの竹斎とて、この程都より下りけり。やぶにかうのものと云事のあれば、見せさせ給へ」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android