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十訓抄 じっきんしょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十訓抄
じっきんしょう

鎌倉時代の説話集。「じっくんしょう」とも読む。作者は,写本の一つ (妙覚寺本) の奥書によって,六波羅二臈 (ろくはらにろう) 左衛門入道とするのが通説で,これは鎌倉幕府御家人であった湯浅宗業の通称ともいわれるが,一方,菅原為長とする説もある。3巻。建長4 (1252) 年の序文がある。約 280の説話を「心操振舞を定むべき事」以下 10条の教訓のもとに分類配列して,説話ごとに著者の見解を加える。儒教的立場を表に立てているが,王朝文化を憧憬する個条や,反対に,きわめて実際的な乱世の処世術などを説く個条も目立つ。所収の説話は『今昔物語集』『江談抄』『袋草紙』以下平安時代の文献によるものが多い。

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デジタル大辞泉の解説

じっきんしょう〔ジツキンセウ〕【十訓抄】

鎌倉中期の説話集。3巻。六波羅二﨟左衛門入道編か。建長4年(1252)成立。十か条の教戒を立て、約二八〇の説話を集めた少年用の啓蒙書。じっくんしょう。

じっくんしょう〔ジツクンセウ〕【十訓抄】

じっきんしょう(十訓抄)

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百科事典マイペディアの解説

十訓抄【じっきんしょう】

〈じっくんしょう〉とも読む。鎌倉中期の説話集。3巻。約280話。六波羅二臈左衛門(ろくはらにろうさえもん)入道こと湯浅宗業(むねなり)作。1252年成立。〈心操振舞ヲ定ム可キ事〉〈【きょう】慢ヲ離ル可キ事〉〈人倫ヲ侮ル可カラザル事〉などの10項目の徳目をあげ,それについて例話を掲げて説明する。
→関連項目説話文学平中説話

十訓抄【じっくんしょう】

十訓抄(じっきんしょう)

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世界大百科事典 第2版の解説

じっきんしょう【十訓抄】

鎌倉時代の説話集。〈じっくんしょう〉とも。のちに出家して智眼(ちげん)と名のり,六波羅二﨟左衛門(ろくはらにろうさえもん)入道とも呼ばれた湯浅宗業(むねなり)が,まだ京都六波羅に仕えていたころに執筆したもの,と推測されている。1252年(建長4)成立。3巻。善きことをすすめ悪しきことをいましめて,少年たち思慮分別をつける縁としようとした,と書かれる。10ヵ条の教訓をかかげ,それぞれの教訓を守った例,教訓にそむいた例を和漢にもとめ,説話を例証として説明する。

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大辞林 第三版の解説

じっきんしょう【十訓抄】

じっくんしょう【十訓抄】

説話集。三巻。菅原為長編、六波羅二﨟左衛門入道編などの説があるが未詳。1252年成立。一〇項に分けて、中国説話を含む二百八十余の教訓的な説話を収録したもの。先行説話集から伝承した話が多い。じっきんしょう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十訓抄
じっきんしょう

鎌倉中期の教訓説話集。「じっくんしょう」とも読む。その序文から、建長(けんちょう)4年(1252)、少年たちに善悪賢愚の処世の道を示すために、東山の麓(ふもと)に庵(いおり)を結ぶ老遁世(とんせい)者によって編まれたことがわかる。この編者を菅原為長(すがわらのためなが)、あるいは六波羅二左衛門(ろくはらじろうざえもん)入道(湯浅宗業(むねなり))と推定する説があり、どちらも明証を欠くが、後者に比較的高い蓋然(がいぜん)性が認められる。書名の由来は、「可定心操振舞事」、「可離慢事」、「不可侮人倫事」、「可誡人上多言等事」、「可撰朋友事」、「可存忠信廉直旨事」、「可専思慮事」、「可堪忍諸事事」、「可停怨望事」、「可庶幾才能芸業事」の10条の徳目を掲げて、各徳目ごとに例話としての説話を集めていることにある。総数540話ほどの収載説話の出典には和漢の典籍が広く用いられ、編者の教養をうかがわせる。本書はその儒教的教訓性からとくに近世以降広く読まれたが、前代王朝的美意識を引き継ぐ懐古性、宮仕えの立場から説く教訓の妥協的、消極的性格などをもって、近年はかならずしも高い評価を得ていない。しかしながら、源平争乱以降の動乱期を巧みに生き残ったしたたかな精神に裏打ちされた書という見方もあり、また平家関係説話など、他書にみえない興味深い説話も少なくない。重要な文学史的課題を担う書といえる。[木下資一]
『石橋尚宝著『十訓抄詳解』(1902・明治書院) ▽『研究資料日本古典文学3 説話文学』(1984・明治書院)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の十訓抄の言及

【袋草紙】より

六条家の代表的歌論である。また,雑談の部分が《十訓抄》の資料になったり,《清輔雑談集》として刊行されるなど,説話集としても広く読まれた。【赤瀬 知子】。…

※「十訓抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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