血鉄症(読み)けってつしょう(その他表記)hemosiderosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「血鉄症」の意味・わかりやすい解説

血鉄症
けってつしょう
hemosiderosis

ヘモジデリン沈着症ともいう。生理的な貯臓鉄の一型である血鉄素 (ヘモジデリン) が組織内に異常沈着した状態をいう。単に鉄症ともいわれる。局所性と全身性がある。古い出血巣では,血球の崩壊のために鉄が沈着し,錆色を呈する。慢性の肺うっ血では,肺の小出血のため,鉄を貪食した細胞が喀痰中に出たり,肺組織が褐色硬化を示す。肝硬変では,脾臓の慢性のうっ血のために鉄の沈着が起る。これらは局所性の血鉄症である。全身性の血鉄症は遊離鉄の過剰によって起り,骨髄肝臓,脾臓などに沈着することが多いが,腎臓にも沈着する。反復する輸血,溶血性貧血,鉄芽球性貧血などが原因となる。飢餓の場合は,遊離鉄自体は増加しないが,蛋白質欠乏のためフェリチンが合成されないので,血鉄素として沈着する (飢餓血鉄素症) 。血鉄症は,腸管からの鉄の吸収が増大して,過剰の鉄が全身に貯留するヘモクロマトーシスとは区別される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

企業の退職を希望する従業員本人に代わって退職に必要な手続きを代行するサービス。依頼者と会社の間に入ることで円滑な退職をサポートするとともに、会社への連絡などを代わりに行うことで依頼者の心理的負担を軽減...

退職代行の用語解説を読む