行く鳥の(読み)ユクトリノ

デジタル大辞泉 「行く鳥の」の意味・読み・例文・類語

ゆくとり‐の【行く鳥の】

[枕]飛ぶ鳥が先を争うようにの意で「争ふ」に、また、群れをなして飛び立つところから「群がる」にかかる。
露霜の消なば消ぬべく―争ふはしに」〈・一九九〉
舎人とねりの子らは―群がりて待ち」〈・三三二六〉

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精選版 日本国語大辞典 「行く鳥の」の意味・読み・例文・類語

ゆくとり‐の【行鳥の】

  1. 飛び立って行く鳥が先を争うようにの意で「争(あらそ)ふ」にかかり、また、群をなして飛び立つところから「群(むら)がる」にかかる。
    1. [初出の実例]「奉仕(まつろ)はず 立ち向ひしも 露霜の 消なば消ぬべく 去鳥乃(ゆくとりノ) あらそふはしに」(出典万葉集(8C後)二・一九九)
    2. 「舎人の子等は 行鳥之(ゆくとりの) 群がりて待ち 有り待てど」(出典:万葉集(8C後)一三・三三二六)

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