複合誘導(読み)ふくごうゆうどう(その他表記)hybrid-guidance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複合誘導」の意味・わかりやすい解説

複合誘導
ふくごうゆうどう
hybrid-guidance

既存のミサイル誘導技術を組み合わせて最適な誘導システムを作り上げる方式慣性誘導と終末誘導を直列式に複合させ,射ち放し性と長射程化を図る方式 (ハープーンなどで採用) ,慣性誘導でジャイロや加速度計に生じる狂いなどのため長時間に累積される誤差を,NAVSTAR/GPS (全地球測位システム) などの衛星などを用いて補正する方式 (戦略核ミサイルなどで採用) ,複数の目標検知センサを並列に用いて,目標の捕そく追尾機能と耐妨害性の向上を図る方式 (スティンガーで採用) などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の複合誘導の言及

【ミサイル】より

…移動目標に対する誘導は信号判定機能がミサイル外にある指令誘導と,ミサイルが自分で判定し自己誘導するホーミング誘導に分けられる。また,複数の誘導技術を組み合わせた複合誘導がある。(a)指令誘導 ミサイルを,発射後外部から誘導する指令誘導では,通常,地上のレーダーで目標とミサイルを標定し,地上からの指令でミサイルを目標に向けて飛翔させるので,遠距離では標定精度が悪くなることと,ミサイル搭載誘導装置は簡単で安価だが,地上装置は大規模,大型,複雑になり,また同時に多数目標を要撃できない欠点がある。…

※「複合誘導」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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