見変える（読み）ミカエル

デジタル大辞泉

み‐か・える〔‐かへる〕【見変える／見替える】

［動ア下一］［文］みか・ふ［ハ下二］
１ あるものを捨てて、他のものに心を移す。
「小花さんを私に―・えるという筈はなけれど」〈鴎外・そめちがへ〉
２ 別の物のように見る。
「とりとりに姿を―・へぬ」〈浮・諸国ばなし・二〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

み‐か・える‥かへる【見変・見替】

1. 〘 他動詞 ア行下一（ハ下一） 〙
   [ 文語形 ]みか・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 室町時代頃からヤ行にも活用した )
2. ① 見方をかえて見る。いままでとは異なった見方で見る。別のもののように見る。評価をかえる。また、自動詞的に用いて、見切りをつける。
   1. [初出の実例]「蘇と如と二人と一人とみかゆるぞ」(出典：漢書列伝帝紀抄（1447‐1515）文帝紀第四)
   2. 「岩の肩かづける浪の花染もけふ白衣と見かへけるかな」(出典：狂歌・堀河百首題狂歌集（1671）夏)
3. ② 他と取り替えて見る。別のものを見る。
   1. [初出の実例]「いかでかは光りのふたつ身に添はむ月にはきみをみかへてぞ寝し」(出典：平中物語（965頃）二九)
4. ③ 思う人を取り替える。その人に替えて他の人を思う。現在のものをすてて他のものに心を移す。見返る。
   1. [初出の実例]「手桶とわたくしとみかへさせらるるは、きょくも御ざらぬ」(出典：虎明本狂言・清水（室町末‐近世初）)
   2. 「清さんに限って小花さんを私に見変(ミカ)へるといふ筈はなけれど」(出典：そめちがへ（1897）〈森鴎外〉)

出典　精選版 日本国語大辞典