花染(読み)ハナゾメ

デジタル大辞泉 「花染」の意味・読み・例文・類語

はな‐ぞめ【花染(め)】

花、特に露草つゆくさの花の汁で染めること。また、その色や染めたもの。
1が変色しやすいところから、人の心などが移ろいやすいことのたとえにいう。
「世の中の人の心は―の移ろひやすき色にぞありける」〈古今・恋五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「花染」の意味・読み・例文・類語

はな‐ぞめ【花染】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はなそめ」とも )
  2. 露草の花の汁で染めること。また、その衣。藍色・薄桃・桜色などに染めるが、変色しやすいところから、うつろいやすいことのたとえにもいう。
    1. [初出の実例]「世中の人の心は花ぞめのうつろひやすき色にぞ有りける〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七九五)
  3. 桜の花の色に染めること。
    1. [初出の実例]「忘るなよ木曾の麻衣やつるともなれし吉野の花染の袖〈長慶天皇〉」(出典:新葉和歌集(1381)離別・五二八)

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