角化性疾患

内科学 第10版 「角化性疾患」の解説

角化性疾患(口腔粘膜・舌の疾患)

(3)角化性疾患
a.白板症(leukoplakia)
臨床症状
 拭いても取れない白斑であり,通常痛みはない.
疫学・病態生理
 角化亢進があり,上皮の異型性はさまざまである.前癌病変とされ,その癌化率は3〜16%と報告されており,非均一型(びらんや紅斑を伴う病変)が癌化しやすい.
原因
 慢性機械的刺激,喫煙が誘因となる.
治療
 刺激除去,レーザー蒸散,切除などが行われる.
b.扁平苔癬(lichen planus)
定義
 角化異常を伴う慢性炎症性変化の1つ.
病理
 基底細胞層が消失し,T細胞の浸潤を認める.
病因・病態生理
 多くは特発性であるが,接触抗原(アレルギー),肝疾患(C型肝炎ウイルス感染),薬剤,感染症(HSV-1,HHV6,HPV,EBVHIV)などの関与が報告されている.
臨床症状
 白い丘疹と多数の細い白線(Wickhan線条)に,発赤やびらんを伴い,痛みがある.中高年の女性に多く,両側頬粘膜が好発部位である.
治療
 副腎皮質ステロイド薬やビタミンAが有効である.[高戸 毅]
■文献
榎本昭二,他編:最新口腔外科学,第4版,医歯薬出版,東京,2000.玉置邦彦総編集:最新皮膚科学大系第17巻 付属器・口腔粘膜の疾患,第1版,中山書店,東京,2002.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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