角膜障害(読み)かくまくしょうがい(その他表記)Corneal disorder

六訂版 家庭医学大全科 「角膜障害」の解説

角膜障害
かくまくしょうがい
Corneal disorder
(代謝異常で起こる病気)

 角膜(くろめ)は強膜(きょうまく)(しろめ)とともに眼球外壁を構成し、最初に眼球内に入る光の入り口として重要な組織です。糖尿病では角膜上皮びらんや、時には角膜潰瘍(かくまくかいよう)が発生することがあります。角膜内皮(かくまくないひ)障害もまれに認められます。角膜上皮(かくまくじょうひ)障害は、網膜レーザー光凝固(ひかりぎょうこ)治療後や網膜症に対する硝子体(しょうしたい)手術後に発生しやすい傾向があります。糖尿病における角膜上皮障害は、網膜症の重症度が強く関連し、角膜知覚が低下します。

 角膜生体染色をしたうえで細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査を行い診断されます。症状としては結膜充血、異物感、眼痛、視力低下などです。いったん発症すると長期化する傾向があり、最悪の場合は角膜混濁を残して高度の視力低下の原因になります。

 治療法としては内科的な血糖コントロールはもちろんのこと、眼科的に抗生剤や人工涙液の点眼などによる角膜上皮の保護、再生治療が重要です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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