言違(読み)いいたがえる

精選版 日本国語大辞典 「言違」の意味・読み・例文・類語

いい‐たが・える いひたがへる【言違】

〘他ア下一(ハ下一)〙 いひたが・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した)
大鏡(12C前)二「いひたがへたまふ事、詞にても歌にてもなかりけり」
② 何か言って人々の間を不和にさせる。
日葡辞書(1603‐04)「ヒトノナカヲ iytagayuru(イイタガユル)

いい‐ちが・う いひちがふ【言違】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙
① 言いまちがえる。言いたがう。
② 互いに言い交す。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「是かれ、すき事いひちがふ宰相の中将など」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒いいちがえる(言違)

いい‐たが・う いひたがふ【言違】

[1] 〘他ハ四〙 =いいちがう(言違)
落窪(10C後)一「長くといはんとしつるを、いひたがひぬるぞや」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒いいたがえる(言違)

いい‐ちが・える いひちがへる【言違】

〘他ア下一(ハ下一)〙 いひちが・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した) まちがえて言う。いいたがう。いいたがえる。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「iychigayuru(イイチガユル)

いい‐ちがい いひちがひ【言違】

〘名〙 まちがって言うこと。また、その言葉。言いまちがい。
※小説奇言(1753)四「小子並非謬言(〈注〉イヒチガイ)

いい‐ちがえ いひちがへ【言違】

〘名〙 まちがえて言うこと。言いそこなうこと。
堕落(1965)〈高橋和巳〉四「些細な言い違え」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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