山川 日本史小辞典 改訂新版 「豆粒文土器」の解説
豆粒文土器
とうりゅうもんどき
長崎県佐世保市の泉福寺洞穴(どうけつ)遺跡で発見された縄文草創期の土器。長さ1cm,幅0.5cmほどの粘土粒を口縁部直下や胴部の器面に点々と貼りつけた豆粒文が特徴。口径約13cm,高さ約24cmで,胴部に最大径をもつ丸底の深鉢形土器。この土器は,同遺跡第2洞から検出されたもので,出土した土器群のなかで最も下層に包含されていた。最古の縄文土器と考えられていた隆起線文系土器が7層~9層に包含されていたのに対して,豆粒文を貼付した土器は主として10層に包含されていたことから,隆起線文系土器よりもさらに古い最古の土器として報告され,縄文土器の起源論に重要な新知見をもたらした。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報