縄文土器(読み)じょうもんどき

百科事典マイペディアの解説

縄文土器【じょうもんどき】

北海道〜九州南方の諸島に分布する石器時代土器目(なわめ)文の多いことからこの名があるが,明治・大正期には貝塚土器,石時代土器などと呼ばれた。黒褐色茶褐色を呈し,文様には,縄目文のほか,沈線文,押型文などがある。製法は,粘土帯を輪にして積み上げる輪積法が主だが,早いころのものには細長い粘土を巻き上げる巻上法が用いられている。器形は基本的に深鉢形と浅鉢形に分けられるが,ほかに香炉形土器,双口土器,注口土器などがある。縄文土器は年代,地域によって様式が異なるため,草創・早・前・中・後・晩期に6区分され,また,大きく東日本と西日本の両地域に分けられ,さらに細かな地域差がある。最も古い土器は1万年以上前の年代が想定されている。縄文を施す手法は東日本の弥生土器にもみられる。→縄文時代
→関連項目亀ヶ岡遺跡東三洞遺跡弥生土器

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

縄文土器
じょうもんどき

縄文文化の土器。縄目文様(なわめもんよう)をもつものが多い。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

縄文土器
じょうもんどき

日本の石器時代 (縄文時代 ) 土器の呼称。土器面に施された縄目文様から名づけられた。北は北海道,礼文島,千島から南は奄美大島,沖縄の南西諸島にまで分布するが,すべての土器に縄文が施されていたわけではない。時代や地方ごとに,独特な器形や文様によって特徴づけられる様式がある。縄文土器は,時代の流行や好みの変化をよく反映していることから,様式の変遷を目安にして縄文時代草創期,早期,前期中期後期,晩期の6期が編年されている。前期中頃までは煮沸用の深鉢が唯一の基本となるが,前期後半から浅鉢などの形式が加わり,さらに中期以降,晩期には注口土器,皿,壺など器種が豊富になる。前4世紀頃,九州から東海地方で弥生土器と交代し,次第に東北地方に後退しながら,ついに東北地方北部から北海道でも縄文土器の伝統を強く残した続縄文土器へと変身をとげた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

じょうもん‐どき【縄文土器】

〘名〙 縄文文化の土器の総称。縄や蓆(むしろ)でつけたような文様があるので、はじめ縄蓆文(じょうせきもん)土器とも称されたが、昭和初期にこの名称に統一された。明治一〇年(一八七七)、大森貝塚を発掘したE=S=モースが、その土器を Cord marked pottery と呼んだのが起源。焼成温度が低いため、黒褐色や赤褐色を呈する。最古のものは紀元前一万年を超えるといわれ、前三世紀に彌生土器が生まれたことにより急速に消滅した。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

縄文土器
じょうもんどき

縄文時代に使用された土器
草創・早・前・中・後・晩の6期に区分される。表面は縄目文様(縄文)のほかに,条痕文,へら描文,粘土紐の貼付文など多様。成温度が約500度と低いため黒褐色または茶褐色。煮炊き用の深鉢が基本形であるが,後期には注口土器・釣手土器・高坏 (たかつき) ・香炉形土器なども出現した。北海道から鹿児島にまで分布する。

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防府市歴史用語集の解説

縄文土器

 土器の表面にひもやに巻きつけたひもを押し付け、模様をつけた土器を言います。ひも跡のない土器もあります。地域によってまったく違う形をしています。日本の土器では最も古いものです。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうもんどき【縄文土器】

縄文時代に行われた土器の総称。その名はE.S.モースが1877年に発掘した大森貝塚発見の縄目文様をもつ土器をcord marked potteryと説明したことに由来する。縄文式土器,縄紋土器と同義であるが,貝塚土器,アイノ式土器,石器時代土器などとよばれたこともあった。日本列島のほぼ全域に分布するが,一時的に北は南千島,南は沖縄本島に達している。地方ごと,時期ごとに形態や文様をはじめ,製作法などの流儀作法全般にわたる独特な特色を示す様式があり,縄文時代全体を通じて約70様式の消長が知られている。

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世界大百科事典内の縄文土器の言及

【陶磁器】より

…なお東南アジアの陶磁については,〈タイ陶磁器〉〈ベトナム陶磁器〉の項を参照されたい。
【日本】

[縄文土器と弥生土器]
 日本最古のやきものは縄文土器であり,その発生はいまから1万2000年前にさかのぼる。その後,前3世紀の弥生時代に移るまで1万年近い歴史をもっている。…

【日本美術】より


[日本美術の発祥――縄文美術]
 日本美術の歴史は,以前は弥生時代,古墳時代あたりから説をおこされるのが普通であったが,近ごろでは縄文土器の芸術性が認識され,縄文時代にさかのぼるものとされている。遺品にてらしてみるならば,縄文土器の加飾法が進んで美的効果を伴うようになった縄文早期後半あたりから日本美術の歴史が始まるとみてよいだろう。…

【弥生土器】より

…弥生文化に用いられた軟質,赤焼きの土器。縄文土器に後続し,古墳時代の土師器(はじき)に先行する。1884年に東京本郷の弥生町向ヶ丘貝塚(弥生町遺跡)で採集された土器がもとになって,90年代から〈弥生式土器〉の名称が生まれた。…

※「縄文土器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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