泉福寺洞穴(読み)せんぷくじどうけつ

日本歴史地名大系 「泉福寺洞穴」の解説

泉福寺洞穴
せんぷくじどうけつ

[現在地名]佐世保市瀬戸越町

烏帽子えぼし岳の北西に延びる丘陵先端部にある旧石器時代から縄文時代にわたる遺跡。国指定史跡。出土品は国指定重要文化財。泉福寺せんぷくじ川に浸食された小支谷(標高九〇メートル)にあり、南に面して弧状に四つの洞穴からなる。昭和四五年(一九七〇)から同五四年にわたって一〇次の発掘調査が行われている。層序的には一二層のナイフ形石器文化層を最古とし、一一層は細石器文化層、一〇層は豆粒文土器文化層、七―九層は隆線文土器文化層、六層は爪形文土器文化層、五層は押引文土器文化層、四層は条痕文土器文化層、三層は押型文土器文化層、二層は縄文時代の中期晩期、一層は弥生時代以降となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「泉福寺洞穴」の意味・わかりやすい解説

泉福寺洞穴 (せんぷくじどうけつ)

長崎県佐世保市瀬戸越町城の口にある,縄文時代草創期から晩期にいたる洞窟遺跡。標高90mの砂岩岩壁に開口する四つの洞穴からなる。1970年から79年まで,佐世保市が麻生優に依頼して8次にわたる発掘調査を行った結果,最上層から土師器(はじき)や陶磁器が検出されたが,その下から順次,縄文時代晩期(黒川式),後期(鐘ヶ崎式),早期(押型文土器,条痕文土器),細石器を伴った草創期の爪形文土器,押引文土器が出土し,さらにその下から隆線文土器,最下層から豆粒文土器が検出された。従来,泉福寺洞穴の北7.5kmにある佐世保市の旧吉井福井洞穴の第3層出土の隆線文土器が,草創期の最も古い土器であるとされ,その類が東日本にまで分布することが明らかにされてきたが,より古い土器として,豆粒状の小さな粘土塊を口縁とその外面下部にはり付けた豆粒文土器が,下層から検出された点が注目されている。
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国指定史跡ガイド 「泉福寺洞穴」の解説

せんぷくじどうけつ【泉福寺洞穴】


泉福寺洞窟(せんぷくじどうくつ)

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