ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貫流ボイラ」の意味・わかりやすい解説 貫流ボイラかんりゅうボイラone-through boiler 水管ボイラの一種。長い水管の一端からポンプによって押込まれた給水を順次加熱,蒸発,過熱して他端から所要高温高圧の過熱蒸気として送り出すボイラ。ボイラドラムが不要であり,水管だけから成っているので高圧用に適し,超臨界ボイラはすべてこの形式である。伝熱面積が大きくとれ,構造が簡単で始動時間が短い長所があるが,伝熱面積あたりの保有水量が少いので負荷変動に対して蒸気圧力が変りやすく,給水の厳密な処理も必要である。最近では,給水処理と自動制御技術の進歩に伴い,各国で広く使用されている。大容量高圧貫流ボイラとしては,ベンソンボイラ,ズルツァーボイラ,UPボイラ,ラムジンボイラなどがある。また小型低圧用のパッケージ形式のものも発達し,工場用,病院用,暖房用などに広く用いられてきている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by