逆向健忘(読み)ぎゃっこうけんぼう(英語表記)retrograde amnesia

改訂新版 世界大百科事典 「逆向健忘」の意味・わかりやすい解説

逆向健忘 (ぎゃっこうけんぼう)
retrograde amnesia

何かの脳障害健忘(追想欠損)を生じる時に,脳障害の発生時点より以前の事柄にまで遡及して思い出すことができない場合をいう。意識が明瞭だった時点では,出来事は正常に記銘され記憶に残されたはずだが,脳障害により想起できないのは,記憶の痕跡が失われたか,想起することができないのかの理由による。健忘が逆向する期間は外傷性の時は数分から数時間くらいが多いが,重症ではさらに長期間にわたる。回復時にはしだいに健忘の期間が短縮する。
健忘
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android