理由(読み)りゆう(英語表記)reason

  • りゆう ‥イウ
  • りゆう〔イウ〕
  • 書名

翻訳|reason

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

理拠,根拠ともいう。論理の場面では帰結に対する前提,前件であるが,実在の場面ではなんらかの現象的変化について理由をいう場合,その変化の原因との異同が問題になる。一般には理由は目的因,すなわち意図や動機と同一視される (→目的論 ) 。この考えでは人間の介在しない変化には原因はあっても理由はなく,人為的変化であっても非意図的なものについては原因といわれる (たとえば火の不始末が火事の原因という場合) 。さらにその火の不始末が火事を起したことの科学的根拠を問うことができ,原因と理由の区別が微妙になることもあり,まったく同一視する学説もある。また実在者について変化ではなく存在の理由 (理拠) をも問うことができる。この場合,理由は存在の本質規定を意味しており,ライプニッツ充足理由律は存在についていわれるかぎりこの意味である。

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デジタル大辞泉の解説

物事がそうなった、また物事をそのように判断した根拠。わけ。子細(しさい)。事情。「健康上の理由で辞職する」
いいわけ。口実。「風邪を理由に休む」
哲学で、論理的関係においては結論に対する前提、実在的関係においては結果に対する原因。根拠。⇔帰結
[補説]書名別項。→理由
宮部みゆき長編小説の夜に起きた一家四人の殺害事件をめぐるミステリー。平成10年(1998)刊行。同年、第120回直木賞受賞。

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大辞林 第三版の解説

なぜそうなったかという筋道。また、なぜそうするかという根拠。わけ。事情。 反対する-はなにか 一身上の-
言いわけ。口実。 -をつけて休む 病気を-に面会を断る
哲・論 真理や存在が成立する基礎となるもの。論理的には結論に対する前提、実在的には結果に対する原因をいい、前者を認識理由、後者を実在理由という。根拠。 ⇔ 帰結

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

広義には事物の存在・生起の原因、またある思想・命題の真理であることを示す論理的根拠。狭義には後者の論理的根拠という意味で使われることが多い。この場合、理由は原因に対する結果ではなく、帰結に対応するものとなる。ライプニッツの「充足理由の原理」は、理由と帰結との論理的関係から、原因と結果の実在的関係までを覆う普遍的な根本原理として考えられている。「理由」にあたる英語リーズンreason、フランス語レゾンraisonなどは、同時に理性、判断力の意味をもち、同じくギリシア語のロゴスlogosも、理由、理性、(比例)関係にわたる意味をもっている。「合理主義」の根がここにみられるのである。[坂部 恵]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 物事がそのようになったわけ。子細。
※軍人訓誡(1878)〈山県有朋〉「勉めて其理由を説諭して」
② いいわけ。口実。
③ 哲学で、論理的関係において正しく結論を導きだす論拠をいう。前提におかれる。実在的関係では原因と同義。前者を論理的理由といい、後者を実在的理由ということもある。〔哲学字彙(1881)〕

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世界大百科事典内の理由の言及

【行為】より

…まず,この意図は,わたしの欲求(寒いので暖かくなりたい)と欲求を満たす手段に関する信念(暖房機のスイッチを入れると暖かくなる)を前提にした〈実践三段論法〉の結論として成立したものという点で,欲求や信念と関連をもっている。この推論は演繹推論のような必然性を伴うものではないが,その前提は意図と行為に〈理由〉を与え,それらを〈合理化〉する働きを担っている。次に,この(スイッチを入れるという)意図は,それを実現する行為を〈充実条件〉としているという点で,行為と志向的な関係にある。…

【判決】より

…決定・命令では,裁判書を作成せずに,裁判内容を調書に記載させる方法が認められている(刑事訴訟規則53条但書)。(4)裁判理由の付記 判決には,必ずその判決をするに至った理由を付記しておかなければならない(民事訴訟法253条1項3号,刑事訴訟法44条1項)。これは,判決の正当性を明らかにして,訴訟関係人を納得させ,また,不服申立てがあったとき上訴審の審査に資するためである。…

※「理由」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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